弁理士法施行規則改正

良いニュースと悪いニュース。
どっちを先に聞きたい?って感じの発表です。
特許庁のサイトで弁理士法施行規則の改正案が発表されました。

施行日について

まずは良いニュースとして。
施行日は平成28年1月1日とのことです。
すなわち、来年の試験には影響がありません。

となると、勉強方法が少し変わって来ますが、それは週末のガイダンスで!
渋谷本校12時30分にお会いしましょう!

と、まるでテレビドラマのような誘導をしてみます。

短答式筆記試験への科目別合格基準の導入(規則第4条第1項関係)

改正の趣旨としては、

弁理士試験のうち、短答式筆記試験は、工業所有権(特許、実用新案、意匠及び商標)に関する法令、工業所有権に関する条約、著作権法不正競争防止法(以下「不競法」という。)について行われている(弁理士法第10条第1項及び規則第2条)が、科目別の得点は問わず総合点のみで合否を判定している。今般、弁理士にとって必要な基礎的知識を確認する手段として、短答式筆記試験に科目別合格基準を導入する。

だそうです。結果として、

短答式筆記試験における工業所有権に関する法令の科目については、特許及び実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令に分けて行うことを規定する。

と規定されました。
改正案をみても、どのように導入されるか解りませんが、とりあえず「特許・実用新案」「意匠」「商標」「条約」「著作・不競」という感じで科目別合格点が導入されそうです。

論文式筆記試験(選択科目)における選択問題の集約(規則第3条関係)

こちらも、影響が大きい改正です。

論文式筆記試験(選択科目)は、技術又は法律(工業所有権に関する法令を除く)に関し、受験者の論理構成力についての素養を考査している(弁理士法第10条第2項第2号)。
選択科目は技術系5科目(「理工Ⅰ(工学)」〜「理工Ⅴ(情報)」)と法律系1科目(「法律(弁理士の業務に関する法律)」)の6科目とされ、受験者は受験願書提出時に6科目計35の選択問題から1つを選択して選択科目を受験する(規則第3条)。
今般、選択問題間の難易度を揃え試験の公平性を担保するため、選択問題を集約する。

との趣旨から、出した結論は、

論文式筆記試験(選択科目)の現在35ある選択問題について、短答式筆記試験においても考査している著作権法及び不競法を廃止し、各科目の基礎的な分野への集約により、選択問題を15とする。

とのことです。
実際の選択科目としては、

  • 理工1(機械・応用力学) 材料力学;流体力学;熱力学;土質工学
  • 理工2(数学・物理) 基礎物理学;電磁気学;回路理論
  • 理工3(化学) 物理化学;有機化学無機化学
  • 理工4(生物) 生物学一般;生物化学
  • 理工5(情報) 情報理論;計算機工学
  • 法律(弁理士業務に関する法律) 民法

となります。
ここで重要なのは著作権法が廃止予定になっていること。
これは影響が大きすぎます。

受験生が多いという点、勉強負担増を考えると大変です。
また、「著作権法」は弁理士業務に関する法律(それもかなり近い法律)です。
短答試験で考査しているからというなら、必須科目の試験は不要になります。

現在パブリックコメントを受け付けている段階です。
意見がある人は特許庁に言うことができます。

「困ったぞ」と思うのと併せて、意見があれば伝えてみることも必要です。